私の恩師であるルドルフ・マイスター教授はマンハイム音大の学長でもある。
彼は、学生がよりよい環境で学べるために、懸命に日々動いていることを
私は学生の頃から、いろんな場面でヒシヒシと感じていた。
最近、私も教える立場になり、彼の言動をふと思い起こすことがある。
因みに彼は、学長就任した時はドイツで初めて、最若年34歳で学長になった。
私の年齢の時には学長をしていたということだ。
やはり、凄い。
学長ルドルフ・マイスターを筆頭に、マンハイム音大サイトで、
世間に向けて、呼びかけの記事を出していたのを先ほど読んだ。
以下リンク先。
(ドイツ語が分からない方は翻訳機能をご使用ください)
↓
誰がこの部屋を必要としているのか?
要訳すると。
マンハイム音大において、オペラ科・器楽科・バレエ科、
其々の用途に必要な練習場や劇場、ホールといった空間が求められます。
実践的な空間で、「日々、試していく」ことによって、多くを学びます。
そういった経験から、よりベストな準備ができ、
コンクールやオーケストラ採用試験、劇場採用試験、演奏会など、
学生の将来に大きな意味を成し得るのです。
これらを踏まえて、皆様のご支援をいただけないでしょうか?
一言でいうなれば、ホール作りのための支援を求める記事。
それは、一般の方・企業の方、幅広い理解者に求めるもの。
他には学生の声も書かれている。
ドイツ国立の音大も、国や州だけにすがるのではなく、
いろんな企業スポンサーや支援者によって、
文化継承されていくことが、珍しいことではないわけだ。
私が一番言いたいことは、
学生のためにそれら、施設や設備、支援があるということ。
なぜなら、学生は学びにきている。
彼らにはそれらをフル活用する権利があるのではないだろうか。
むしろ、使わないともったいなすぎる。
以前、マイスター教授のレッスン通訳の際に日本国中どこの音大生でも、何度もあったこと。
マイスター:君の音大には古楽器あるでしょ?弾いたことある?どんな響き?
生徒:楽器はあるのですが・・・、触らせてもらえないので・・・。
マイスター:是非、一度試してみて!
マイスター:音大の図書館には○○○というような本はあると思うけど?読んだ?
生徒:あるのは知っているけど、内容は・・・。
マイスター:是非、一度読んでみて!
他にも上げればキリがないが、ホールの活用でも常々感じる。
少なくとも、ドイツの学校のホールでは毎日、学生の演奏が行われている。
1つではなく、いろんな会場で催される。
時には、「協奏曲マラソン」といって、協奏曲ばかり朝から晩まで演奏されることもある。
学生が学校のホールでもっと、音楽できればいいと思う。
先生が使うのではなく、学生が使うためのホールなのだ。
図書館も、楽器も。
勿論、使うためのルールや方法は必要だが、それらは先生が手を貸せばいい。
先生はそれが、仕事だ。
学生は「試す」ということが非常に重要なのだ。
なぜなら、そこから多くの学びがあるからだ。
教える側も学生が使えるように、より誘導したい。
学生は自分たちが使えることを知らなかったりもする。
学生は「学生」という権利主張をしていいと思う。
教える側はもっと、学生にもっと学ぶチャンスを与えていいと思う。
教育者とはなんだろうか。
学生とはなんだろうか。
とても考える最近。