2012年8月16日木曜日

学生

私の恩師であるルドルフ・マイスター教授はマンハイム音大の学長でもある。
彼は、学生がよりよい環境で学べるために、懸命に日々動いていることを
私は学生の頃から、いろんな場面でヒシヒシと感じていた。
最近、私も教える立場になり、彼の言動をふと思い起こすことがある。

因みに彼は、学長就任した時はドイツで初めて、最若年34歳で学長になった。
私の年齢の時には学長をしていたということだ。
やはり、凄い。

学長ルドルフ・マイスターを筆頭に、マンハイム音大サイトで、
世間に向けて、呼びかけの記事を出していたのを先ほど読んだ。

以下リンク先。
(ドイツ語が分からない方は翻訳機能をご使用ください)

誰がこの部屋を必要としているのか?

要訳すると。

マンハイム音大において、オペラ科・器楽科・バレエ科、
其々の用途に必要な練習場や劇場、ホールといった空間が求められます。
実践的な空間で、「日々、試していく」ことによって、多くを学びます。
そういった経験から、よりベストな準備ができ、
コンクールやオーケストラ採用試験、劇場採用試験、演奏会など、
学生の将来に大きな意味を成し得るのです。
これらを踏まえて、皆様のご支援をいただけないでしょうか?

一言でいうなれば、ホール作りのための支援を求める記事。
それは、一般の方・企業の方、幅広い理解者に求めるもの。

他には学生の声も書かれている。

ドイツ国立の音大も、国や州だけにすがるのではなく、
いろんな企業スポンサーや支援者によって、
文化継承されていくことが、珍しいことではないわけだ。


私が一番言いたいことは、
学生のためにそれら、施設や設備、支援があるということ。
なぜなら、学生は学びにきている。

彼らにはそれらをフル活用する権利があるのではないだろうか。
むしろ、使わないともったいなすぎる。


以前、マイスター教授のレッスン通訳の際に日本国中どこの音大生でも、何度もあったこと。

マイスター:君の音大には古楽器あるでしょ?弾いたことある?どんな響き?
生徒:楽器はあるのですが・・・、触らせてもらえないので・・・。
マイスター:是非、一度試してみて!

マイスター:音大の図書館には○○○というような本はあると思うけど?読んだ?
生徒:あるのは知っているけど、内容は・・・。
マイスター:是非、一度読んでみて!


他にも上げればキリがないが、ホールの活用でも常々感じる。
少なくとも、ドイツの学校のホールでは毎日、学生の演奏が行われている。
1つではなく、いろんな会場で催される。
時には、「協奏曲マラソン」といって、協奏曲ばかり朝から晩まで演奏されることもある。

学生が学校のホールでもっと、音楽できればいいと思う。
先生が使うのではなく、学生が使うためのホールなのだ。
図書館も、楽器も。
勿論、使うためのルールや方法は必要だが、それらは先生が手を貸せばいい。
先生はそれが、仕事だ。

学生は「試す」ということが非常に重要なのだ。
なぜなら、そこから多くの学びがあるからだ。

教える側も学生が使えるように、より誘導したい。
学生は自分たちが使えることを知らなかったりもする。
学生は「学生」という権利主張をしていいと思う。
教える側はもっと、学生にもっと学ぶチャンスを与えていいと思う。

教育者とはなんだろうか。
学生とはなんだろうか。

とても考える最近。


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